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RED MOON

2015.12.01.Tue.23:44

闇は降りてきていたが、まだ完全に陽は沈んではおらず、またその日は快晴だったおかげで周囲の景色はくっきりと見えていた。建築中の壁に囲まれた部屋の中には、陽は届かなかったが、あちこちに開けているスペースからは、明るさは未だ家の中を覗いていた。窓枠の所には、シートがかぶせられていたが、そこから透ける外の灯りも、まだいくらか明るさを留めていた。

懐中電灯消しても、薄ぼんやりとお互いの姿は見えていた。床を伝う梁の間に立ち尽くしてお互いを見合っていた二人だったが、その見つめる間、外の喧噪がずっと聞こえていた。何物かは判然とはしないが、自然の音と人工的な音が混ざり合ったクラウドノイズがやんわりと蟠って聞こえていた。車の通る明確な音も時折響いた。人の息づく感覚が、自然とその中に混じっていた。

郊外といっても、新しく出来た広い道路が近くには走っていて、交通量は飛躍的に伸びていた。その周囲に商業施設も建ち始めていて、人の行き来が自然と喧噪を生み出していた。これから大きくなっていく街は、既にスタートラインを切っていて、日ごとに人々を集めていたのだ。それに重なるように、ひときわ大きく、生活音が不意に盛大な音を発てて二人の耳に飛び込んできた。

両隣はもう完成して住人が入っている。外観から見て家族連れであることは間違いなく、外に三輪車が置かれた逢ったのを見ると、Oと同じくらいの子供の居る家庭らしい。その時間はちょうど夕食時だった。そこから発する様々な音や声を遮るには、二人のいる工事途中の壁は薄すぎた。しかも、その真ん中にいると、まるで臨場感が違って、その音がすぐそばで鳴っているように錯覚するのだった。





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