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ECHOES

2015.11.30.Mon.20:54

け身であるMさんだが、状況に飲み込まれることを言い訳にいつもは大胆になれた。だが、そこはやはり聖域に近いものを感じていて、確かに今はOの家族などいるはずもなく、ただの建設現場にしか過ぎないのだが、そこに自分が足を踏み入れることで、卑猥なシミを付けてしまうような、そんな錯覚を覚えていたのだ。それほど多くはないが、Oの子供と戯れたり、妻と話をしたこともある。その記憶がまざまざと甦ってくる。

もっとも、彼女自身、両親のいない自宅や、彼氏である私の部屋で、堂々とOと交わっていたのだから、その辺に躊躇はないはずだったが、なぜかOの家族となると意味が違ってくるらしかった。おそらくはOもそのことをわかっていて、敢えてMさんを誘っているのだ。結局は抗しきれずに、Oに手を引かれるまままだ木の匂いの残る建屋の中に入っていった。

グズグズしていると周囲の家の者に見つかる可能性もあったので、仕方なく小走りに中に入ったのだが、やはりそこは来てはいけないイメージがあった。まだ床材が敷かれておらず、太い梁が並んでいるが、柱はしっかりと部屋を支えていて、壁も一応ははめ込まれてあった。独特の木の匂いが鼻を突く。細かい木くずが足元にうっすらと積もっていて、作業途中の製材された木が隅に積まれてあった。

懐中電灯を点けたOは、Mさんの手を引きながら、部屋を一つずつ案内した。まだ階段はきちんと作られておらず、二階には行けなかったが、キッチンやリビングを一つ一つ見て回った。柱で囲まれただけではMさんには想像がつきにくいが、Oの中ではもう入りの点いた風景として見えているのだろう。ぐるりと一回りして、入ってきた場所に戻ってくると、Oは懐中電灯消して、薄暗がりの中でMさんを見てまたニヤリと笑ったのだった。





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