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Blood Dirt Love Stop

2015.08.16.Sun.22:14

味深な目つきだと、Wは思った。自分の思惑にいくらかベクトルが掛かっているせいでそう見えるのかもしれない。そうだとしても、いつも見せていた表向きの表情とは、確実に何かが違う。そもそも、S達に話を持ちかけられた時に、彼らが前夜に何をしていたのかは把握していた。最初はそこに誘われたのだが、躊躇して断ってしまった。ならばと、翌日の再会をセッティングされたのだが、未だWは躊躇ったままだった。

Mさんが大学時代に見せていたいわゆる普通の姿とは全く異なる、裏の顔を持っていたことは、卒業してから知ったことだけれど、休憩室で覗いたあの一件があったために、妙に納得はしていた。それから、不思議とMさんとは縁があって、細々とだが交流は続いていた。淫蕩に溺れる表情はあれ以来見ることはなかったが、いつもそれを裏に隠し持っていると知って触れ合うMさんとの交流は、もう初心な以前とは違ってしまう。

現実を目の当たりにしても、どこかで信じていないかのような、混じり合わないそのわだかまりに決着を付けることを先延ばしにしてしまっていることは、W自身も自覚していた。思い出を断ち切らないまでも、どこかで一度線を引きたい、と彼は望んでいたのだ。そうしないと、もやもやした思いを抱いたまま年老いてしまうことは明らかだったのだ。行きつ戻りつを繰り返して、また同じところに戻ってきてしまう。大学のコーチを引き受けた遠因でもあった。

一方で、そこまでの深い思いまではわからないまでも、MさんはWの中でわだかまりになっていることは、その時になって、やっと勘づいていた。いつまでも、後輩然として振る舞う彼の行動に、忸怩たる思いを感じないわけではなかった。しかし、それがこんな形に結実するとは、予想だにしなかったのだけれど、それも奇妙な縁かもしれない。先輩がMさんに植え付けた淫靡な種子は、様々に枝を伸ばして、少しずつ花を付けていくのだった。





多度津の花火が見える島 中野信子 バロン辻村





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