FC2ブログ

Eyes

2015.07.03.Fri.11:52

ぼけたアパートは、その思い出の地の中で数少ないかつての面影を残している建物だった。その当時に新築だったのでかろうじて、数十年経ったその時まで残っていたのだ。周囲には同じようなアパートが並んでいて、今でも学生中心の住人が多く住んでいるようだった。大学へも歩いて行ける距離だし、近くに市電の駅もあって交通の便はいい。一人暮らしにはもってこいの環境だった。

Sくんが車を止めたそのアパートが特に思い出深いのは、Mさんが所属していた水泳部の後輩の一人が住んでいたからだ。Mさんの部屋から近いこともあり、またその愛すべきキャラクターもあって、もっとも目をかけていた後輩だったのだ。実力もそこそこあり、人望を集める理由には事欠かなかった。確か後に水泳部のキャプテンに抜擢されたはずだ。

Mさんは半ば手足のようにその後輩をこき使い、後輩もそれによく応えた。水泳部はほぼ、男女の区別がなくいつも一体で行動していて、Mさんとその後輩も一緒に泳いでいたのだ。Mさんがもっともその後輩を意識して覚えているのは、当時一緒に住んでいたタケシの目を盗んで、先輩を部屋に招き入れた時のことだった。その日タケシは部の飲み会に誘われていて、友人の部屋に泊まる予定だったのだ。

まさかの時のお目付役にその後輩を選んでいた。先輩が来ることをはっきりとは告げてはいなかったが、その理由を言わない代わりに、強圧的に後輩を言いくるめていたのだ。見透かされているであろうことは分かったが、それでもまさかタケシに告げ口するような男ではなかった。その顛末は以前話した通りだが、先輩風を吹かしていただけでなく、それなりにその後輩を信頼していた証でもあったのだ。





守口香織 水着 岡崎咲奈








スポンサーサイト
[PR]

FC2公認の男性用高額求人サイトが誕生!
稼ぎたい男子はここで仕事を探せ!
コメント

管理者にだけ表示を許可する