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Double Talkin' Jive

2015.04.27.Mon.10:49

船に浸かったお互いの間にSくんが登場すると、いっそう雰囲気が緊張の度合いを増した。だが、彼は笑顔を作って、薄暗い内風呂を一瞥すると、何だ、という風な表情を浮かべて、肩をすくめて見せた。ガラス張りの窓の向こうには、もう夕日の赤い光が差し込んでいた。

SくんはMさんが浸かったそばに腰を下ろすと、そのまま肩を並べるようにして湯に浸かった。ことさら距離を縮めて肌を触れさせる。そのことにMさんは違和感は感じなかったが、緊張している自分を悟られるのはどこか恥ずかしさが漂っていた。不思議とSくんは大学時代に見た時と、体型が変わらない。その頃Mさんの周囲にいた体格の良い者たちとは違うが、衰えが見えないのには驚いた。

今日はMさんが主役ですよ、と不意にSくんはMさんに語りかけた。その声は向こう側にずらりと並ぶ男達にも聞こえた。そして、思い思いにその言葉に同意する仕草を向けてきた。もうみんなが考えていることは、分かっているんでしょ?と問いかけられて、一瞬にして淫らな想像をした。視線が男達の一点に注がれようとして、慌ててMさんは目を逸らした。

久しぶりだから、と小さな声でMさんは応えたが、まぁ、仕方がないですよね、と云ってSくんに笑われると、いっそう立場がおぼつかない気がした。おまえ達も、とSくんは少し大きな声を出した。そんなに緊張していたら、のぼせてしまうぞ、と続けて、男達は苦笑交じりの引き攣った笑い声をあげた。やれやれといった感じで肩をすくめたSくんだったが、彼自身も充分に緊張して額に汗を浮かべていた。





森川ひかる 神崎亜子 大友美里








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