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The Garden

2015.04.22.Wed.22:08
 

奮した様子をどこかで押し込めているような雰囲気がMさんにも感じられて、それに水を差さないように愛想を振りまく内に、なんだかひどくはしゃぎ回っているようなグループになっていた。唯一Sくんだけが、その成り行きを冷静に見守っている。男達にMさんを預けて、遠くから見ているような距離を常に保っているような印象をMさんは持った。

はしゃぎ回っているグループの中にはハンディカムを持っている男が一人いて、それがずっとMさんの様子を撮していた。他にもケータイやデジカメで記念写真を撮っている。S君とは別の距離感で、その男はMさんと度の参加者の交わりを記録し続けていた。

展望台は見晴らすと云うよりは、公園の砂場のような遊び場の雰囲気だった。そもそも、観光目的でここに来たのではないのは、メンバーの誰もが感じていたことだったのだ。それでも、小一時間ははしゃぎ回っていて、日差しも手伝って強か汗を掻いた。当然旅館に帰って風呂に入ろうと云うことになった。その時、Sくんがこともなげに、今日は一日、露天風呂を借り切っていますから、と一言云って、男達は歓声を上げた。

Mさんも一緒になって声を上げたが、それが、ある意味を含んでいることに、すぐに気が付いた。すると、Sくんは意を汲んだように、みんなで入りましょう、とMさんの目を見ていった。男達は、興奮の中でその言葉を軽く受け流したが、Mさんはやはり、と云った感じで表情をこわばらせたのだった。





森川ひかる 神崎亜子 大友美里







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