Starless
淫靡な予感が重なり合って、お互いがお互いを求めるのに躊躇はなかった。それはMさんにも、部長にとっても珍しいことだった。加えて、二人には罪の意識も希薄だった。それぞれ、部長には妻子があり、Mさんは恋人がいる。だが、不倫関係に落ちることは必然で、抗いようがなく、当然のことのように受け止めていたのだ。元々Mさんは、淫欲の方が倫理より優先するの人生を送ってきたが、それを抑制していたモノから解放されたような一種の幸福感に浸っていた。
そのことを確かめるように、自然と二人の手は相手の身体を求めるようにまさぐった。その日Mさんは、少しフォーマルに白のシャツの上にジャケットを羽織り、グレーのタイトスカートを穿いていたが、そのジャケットから覗くシャツのボタンがいつの間にか外されていた。ピンク色のブラジャーが露わになっていたが、そのカップの部分が部長の手の侵入を許していた。
乳房をまさぐられながら、Mさんの手は部長のスラックスの下腹部に宛がわれていた。指先でファスナーを探り、見つけ出すと躊躇無くそれを引き下ろした。そこに手を差し入れブリーフ越しに、熱く硬くなったモノを撫でた。撫でている内にブリーフがまくれてくる。先端が顔を出して直接Mさんの手の平にその温度を伝えた。Mさんの中の淫靡な鍵が音を立てて外れ、その手でしっかり勃起したモノを握ると、ファスナーの間から引っ張り出した。
オオッ、という声が小さく部長の口から漏れた。勃起を握られ、ゆっくりと扱かれる様子を、二人して俯いて暫く眺めた。それだけで、淫靡な熱が体中を駆け巡る。それに弾かれたように、部長の手がMさんのシャツの中を走って、背中へと回された。ブラジャーのホックはあっという間に外された。その手際の良さに感心する間もなく、自由を取り戻した豊かな乳房が部長の目前に晒されていた。

