Breaking Us in Two
プールから延びる通路は二つあって一つはエントランスから階段を上がってマシン・ルームやエアロビのスタジオなどに通じている。もう一つは、Mさん達がいる場所から直ぐ近くに入り口があり、そこを入ると直ぐにシャワールームと、ロッカールームになっている。その奥には、本格的な温浴施設があり、サウナや岩盤浴の部屋なども備えてあった。脱衣所もあり、そこだけは裸でいられる場所がある。
Hはシャワールームを使って汗と、未だにじみ出している残り香を洗い流した。ゆりなが促したのは、身体を綺麗にすることよりも、一呼吸於いて次に備えることを期待してのことだった。Hはそれなりに歳を重ねていて、もう体力的な限界を感じ始めていた。ただ、性欲だけは旺盛で、それと身体のバランスを取るのが難しい。それでも、久しぶりの射精快感に満足よりも、期待の方を膨らませていた。
触れることも無く、ただ見つめていたものがずっと待ち望んでいたものだったというだけで、そのことを思い起こすだけで、また勃起してくるのだ。そんなことはもう随分と無かったことだ。少なくともゆりなとの交わりも興奮するのだが、それとくらべても尋常ならざる感慨がHの胸を抉っていた。やはり募る思いの深さが、身体を奮い立たせていると考える以外に説明がつかなかった。
充分にシャワーの湯を浴びて、その間に次へ向けての充填を整えた。一度ロッカールームへ戻って買っておいた精力剤も飲んだ。直ぐに効果が現れるわけでは無いが、まだ夜は長い。興奮をいくらか静めるために深呼吸して、Hは再び元の場所に戻った。そこではゆりなが上になって、シックスナインの格好で二人は重なり合っていた。その光景を目の当たりに下だけで、Hは再び勃起を極めたのだった。

