The Wind Cries Mary
細身のジーンズを穿いていた男は、身体を密着させることでMさんに自らの興奮を伝えようとしていた。ぴったりと肌に張り付いたデニムの生地が、一点で膨らんではち切れそうになっている。そこでMさんの太股を擦るように身体を寄せていた。お互いもう未成年ではない歳なのだから、それが意味することは充分にわかっているし、その無言の伝言ゲーム自体がセックスなのだとも知っている。
もちろん、Mさんはそのことに気づいていた。それより以前から、熱の存在を太股に感じていて、いまだスカートを介してだがMさんに欲情を誘っていた。受け身であることを捨てきれないMさんは、しかしその反応を素直には出せずに居た。彼女の性の手ほどきを施している先輩ならば、先回りをして思いを遂げてくれるのに、と胸の内で想像しながら、頭を抱えていた手を緩めて片手を落とした。
腰を抱えるような位置まで滑らせた手は、今度はMさんからのメッセージだった。そちら側は男が隙間を空けるだけで股間への空間が覗く。だからこそそれを示威するように、Mさんは男の脇腹に手を滑らせたのだ。だが経験の差か、男にはその意図は上手く伝わらない。未だ男は自分の行為に夢中で、しばらくはMさんへの愛撫を先行させていた。それこそが、意志のすれ違いになっているとはまったく気づかなかったのだ。
Mさんが更に手を自由にして力を緩めると、やっと男はそのことに気がついた。彼自身、片手はほとんど自由なままMさんの肩を抱いているだけだった。それを慌てて外し、Mさんの手を取った。そのまま股間へと導く。ジーンズ越しにその指先が触れると、やはり条件反射のようにMさんの手がそこに宛がわれ、優しく撫で回し始めたのだった。男は頬を染めて、自分の拙さを恥じたが、それを覆い隠すようにまたいっそう丁寧にMさんの身体をまさぐり始めた。

Foxey Lady
股間を撫でるMさんの手は饒舌男からは見えなかったが、男がまさぐるMさんの方はその細部までが晒されていた。レース地のショーツはそれほど大胆なものではなく、その頃はまだ、卑猥さの漂う下着には手が出せず、どちらかというと少し大人びた清潔な物をMさんは選ぶようにしていたのだ。だから、ある程度透けてはいたが切れ込みも普通で、肝心な部分はしっかりと隠されていた。
だが、男はそこを更に露わにしようと指を蠢かせた。その頃Mさんは豊富な性体験を重ねる極々初期だったが、それでも男のテクニックをそれほど上手いとは思わなかった。事実、せっかくのショーツを見ようともせず、ひたすら指の感覚だけに頼ってまた布の部分を横へ横へとずらそうと躍起になっていた。つまり、段階を踏む間が密すぎて、丁寧さに欠けるのだ。
だからあっという間にショーツをずらせてMさんのもっとも恥ずかしい部分が露わになってしまった。しかしそれに興奮させられたのは饒舌男だけだった。興奮をお預けされていたはずの饒舌男の方ばかりに、幸運が巡ってきていたのだ。おかげで、男の指の動きによって、見え隠れする妃裂に視線が釘付けになり、時々股布に隠れてしまうと舌打ちさえした。それでも、その独特の形状に、男は更に自らを弄る手を強めた。
早く脱がせて欲しい、とMさんは思っていたが、さすがに口には出せなかった。やはりそれを伝えるのは、膨らんだ股間を撫でる手しかないのだが、男は鈍感なままだった。それでも、半ば肌を露出させているMさんを、完全に脱がそうとするのに、やはり時間は掛からなかった。目的の部分に触れて、思いの一つを遂げたのか、次の段階へと進むために、男はMさんのブラウスを脱がしに取りかかったのだ。
Highway Cile
何かに気づいたように一度身体を離した男は、自分から上に来ていたポロシャツを脱ぎ捨てて、再びMさんに挑みかかろうとした。だが、その前にずっと自分の股間に宛がわれていたMさんの手に気づいた。男がどんなに動こうとも、その手が股間を捉え続けたのは、Mさんの悲しい性なのだろう。無意識のうちに、そこから離れようとしないMさんに、男は思わずニヤリとした。
手のひらの上に自分の手のひらを重ね、強引に撫でるように促した後、男はジーンズのボタンを外しジッパーを下ろした。ビキニパンツと一緒に下ろすと直接Mさんの手が勃起に触れた。思わず手を離そうとしたところを、男の手が留める。手から伝わってくる度を超した熱に、Mさんは目を見開いてそこを注視した。なかなかに立派なその偉容に、Mさんは胸の内を熱くした。一瞬にしてそれが自分に入ってくるところを想像したのだ。
男はMさんの手を取って勃起をしっかりと握らせると、いよいよMさんを脱がしにかかった。まずブラウスから取りかかったのだが、袖を抜くときに一瞬勃起から手が離れた。それでも抜き終わると再びMさんの方から握り返してきたのを見て、ホッとしたように、今度はブラジャーを取った。既に乳房は露わになっていたがそこで完全に上半身が裸にされてしまった。
その肌に男は身体を密着させて、腰を浮かせるように抱きながらキスをし、同時にスカートを下ろした。下ろしながらついでにショーツの端に手を掛ける。Mさんは足を揃えて男を手伝った。膝を越えると、そのまま何もしなくてもスカートとショーツは床に落ちた。再び男がMさんと距離を取ると、Mさんは恥ずかしそうに身体を縮込ませた。足をぴったりと合わせ、片手で乳房を隠す。そうやって恥じらいながらも勃起からは手を離そうとしないMさんに、男達は息をのんだのだった。
Red House
肩を並べるようにして男が座り直したのは、全裸になったMさんを饒舌男に見せるという思惑が働いたのだったが、それでも彼女は勃起を握りしめたままだった。今ではもう握るだけでなく、やんわりと上下に扱く素振りまで見せていた。そうやって、また唇を触れ合って、やがて舌を絡めた。勃起は既にMさんの手の中にあって、その距離はもういかほどもない。後残るのは最後の関門だった。
もう一度最初から男はMさんの乳房を掴んだ。柔らかくふくよかな肉の塊をじっくりと揉む。そうやっているウチにMさんの身体から緊張が解けてくるのがわかった。すかさず男の手が下がっていった。三角形に揃えられた陰毛は、水泳部ならではの小ささだったが、それを指先でなぞって、そのままぴったりと合わさった太股が形作る三角州へと潜り込んでいった。
陰毛が切れる先を探るように指が差し込まれると、何かに触れたのか、ビクンッ、とMさんの身体が跳ねた。そして一瞬緊張した太股から力が抜けていくのがわかった。指をくさびにして徐々に手のひらを差し込んでいき、やがてすっぽりと収まると押しのけられるように合わさっていた太股が開いた。開かされたというよりは、Mさん自身でその隙間を開けていった。
それに呼応するように男の手先はMさんの妃部の合わせ目を開いていく。いつの間にかじっとりと濡れて、あろう事か粘液まで漏らしていたMさんのそこは、あっという間に肉の扉を開いてしまった。太股と更に押しやると、完全にピンクの肉の蠢きが晒されてしまった。それを真正面で目撃した饒舌男の、息をのむ音がやけに部屋の中に響いた。Mさんがちらりと目を開けて見やると、彼はいつの間にかジーンズのジッパーから勃起を引っ張り出して握りしめていた。
Third Stone from the Sun
忙しなく自分で擦るその勃起は、細いが随分と長くMさんの目には映った。その頃様々な男の性器を目に触れることが頻繁になり、その度に人それぞれ個性のあるその部分に、Mさんは並々ならぬ興味を持っていた。可能ならば手にとってじっくりと眺めたいところだが、自分から触れてはならないと条件付けしてしまった後で、そのことに軽く後悔した。欲望のままに無防備になることを、未だコントロールできない頃だったのだ。
一方触れることを許された男の方の勃起は、もう我慢しきれずにだらだらと先端から湿り気を漏らしていて、Mさんの手を濡らしていた。とにかく手のひらを押し返してくる感触は、肉の棒とは思えないほどの堅さだった。擦りあげる感触は、我慢汁の助けがなければごつごつしすぎて痛みを加えるのではないかと心配になる。雄々しさもMさんの指の刺激には、時折震え悶えていた。
おそらくは早々と挿入して果てたいのだろうな、とその勃起の感触でMさんは悟った。少し押せばもう弾けてしまいそうだった。それを見透かして、Mさんは少し手の動きを早めた。男の手はMさんの妃部を開かせることに夢中で、まさぐることにはまだ手が回っていなかった。早くその指を挿れて欲しい、と思う。せめて勃起の感触の前に、指でそのルートを均して於いて欲しいのだ。
自然とMさんは腰をくねらせて自分から妃部を押しつけるように蠢かせた。男の指先が蜜の溢れる口に触れると、全身が痺れたように快感が走る。そのまま挿れてと願うが、男はなかなかそうはしなかった。焦れることにまだ慣れていないその頃のMさんは、思わず宛がわれた手に手のひらを重ねて、その指を導いてしまった。意図せず二本の指が肉の口に差し込まれ、まるで手を繋いで門をくぐるように、仲良く中を蹂躙してしまっていた。
Stone Free
重ねた手が自ずと、Mさんから導くような格好になり、彼女が指を曲げると自然と男の指も曲げられた。無意識のうちに普段自慰しているときに、もっとも敏感になっている部分に指先を促したのだ。Mさんの中は熱い粘液に満たされていて、それを泡立てるように肉が蠢いている。指を曲げた途端にそれが騒がしくなった。その肉のざわめきは確実に男にも伝わっていて、チラリと見ると、何か驚いたような表情が滲んでいた。
男の指先にざらざらとした感触が伝わり、そこを指の腹で擦ると、今までに見せなかったほどMさんが大きく悶えた。それを見て男はまた、驚きに息を飲む。しかし直ぐに好色な好奇心が加わり、何処か嗜虐的とさえ思える色が瞳に浮かんだ。すると、Mさんの方も自ら足を大きく開いて、その快感を受け止めてやり過ごそうとする。自然と視姦している饒舌男が喜ぶスタイルになった。
Mさんは自分の指だけ引き抜き、粘液に塗れたままやはり一番敏感な部分を探る。Mさんのオマンコに宛がわれた手のひらの隙間を探るように、恥丘の方から手を差し入れてすぐに肉芽を探り当てた。今度は男の手のひらに包まれてMさんが指を蠢かせる番だった。自分でそこを探っておいて、指先が触れただけで大きく身体を跳ねさせる。男の手が指ごと、そこを押さえつけて離さない。
オナニーをしているのか男の愛撫を受けているのか、よく分からないままで一番感じ入る部分を刺激していると、途端にMさんの中にあった理性がもたらすいくつかを吹っ飛ばしてしまい、ひたすら男を求めるモードに入ってしまった。片手は相変わらず勃起を握りしめていて、それを扱く仕草がどこか、強請るように変わってくる。先端を自らの方へと向けて、引っ張り込むように手を動かしていたのだった。
Are You Experienced?
直ぐにでも挿入を果たしたかったが、男は愉しむことをいくらかは優先させていた。最初の刺激にいくらか慣れて、余裕が生まれたせいもあるが、やはり饒舌男の視線に応えるために、男はAV男優になったような錯覚をする。そのままソファにMさんを押し倒せば、直ぐに挿入は叶うのだが、敢えて男は一度距離を取った。そして勃起を握らせたままソファの上に足を上げて中腰になった。
股間がMさんの胸元辺りまでせり上がり、彼女は自分で握った勃起の先端を自分の間近に見つめることになった。幾らか怒りを滲ませたような先端が、Mさんをにらみつけているように見えた。Mさんには、男が求めていることはよく分かっていた。未だオマンコにも指は挿入されたままで、変な体勢で身をかがめているその股間に、Mさん自身も身を縮めて顔を近づける。
自分で握った勃起の先端に軽く口付けすると、Mさんはそのままベロベロと周囲を舐め回した。なかなか口に含もうとはしなかったのは、別に嫌がっていたわけではない。ただ、いくらか拙い自分を演出しようとは思っていたが、その我慢も男が指を更に奥へと差し込んできて徒労に終わった。反射的にMさんは勃起を口に含み、そのまま半分方飲み込んでしまっていた。
男の身長がかろうじて窮屈な屈伸を可能にしていたが、Mさんのフェラチオを素直に享受するにはやはり長続きはしそうになかった。二人ともそのことは感じていていたが、せっかく手にした快感の種を手放す気にはなれなかった。それでもより深く味わうには、そのままでは不格好に過ぎた。その体勢を解いたのも、不思議とお互いに口には出さず、まるで心が通じ合ったように、二人がほぼ同時に行われたのだった。